【2025年7月完全移行】ETC深夜割引が激変!新ルールと賢い利用法を徹底解説

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深夜に高速道路を利用するドライバーにとって、ETC深夜割引は通行料金を大幅に節約できる重要な制度です。しかし、2025年7月頃の運用開始(予定)をもって、この深夜割引のルールが大きく見直されます。割引の目的は「一般道の沿道環境を改善するため、交通容量に余裕のある高速道路の夜間利用を促進」とされています 。

現行の割引では、0時から4時の間に高速道路を通行するETC車は料金が3割引となっていましたが、これには「割引適用待ち車両の滞留」や「運転者等の労働環境の悪化」という課題がありました

新たな深夜割引は、これらの課題解決を目指すとともに、割引の考え方や適用方法が複雑になるため、事前の理解が不可欠です。ここでは、新旧の深夜割引の全貌、具体的な計算方法、激変緩和措置、そして賢く利用するためのポイントを徹底解説します。

新旧比較!ETC深夜割引の変更点

項目現行(~2025年6月頃)見直し後(2025年7月頃運用開始)
対象車種すべての車種すべての車種
対象日時毎日 0時~4時毎日 22時~翌5時(対象時間帯が3時間拡大)
対象道路NEXCO3社が管理する高速自動車国道と一部の一般有料道路 NEXCO3社が管理する高速自動車国道と一部の一般有料道路
割引内容30%(走行距離や割引適用回数の制限なし) 30%対象時間の走行分のみ割引対象距離に上限あり
割引方法即時割引型(料金所で割引後の料金を表示)後日還元型
(ETCマイレージサービスを用いて、利用月の翌月20日に還元額として付与)
ETCマイレージ登録不要必要
(「ETCクレジットカード」または「ETCパーソナルカード」の場合)

新たな深夜割引のポイントを徹底解説!

今回の見直しで特に重要な変更点を詳しく見ていきましょう。

1. 深夜割引適用時間帯の拡大と適用範囲の変更

割引の対象時間は、これまでの「0時~4時」から「22時~翌5時」へと3時間拡大します 。しかし、割引の「適用範囲」が大きく変わります。

  • 現行の考え方: 割引適用時間帯(0~4時)に少しでも走行すれば、その一連の全走行分が30%割引されていました 。
  • 見直し後の考え方: 割引適用時間帯(22時~翌5時)に走行した区間のみが30%割引の対象となります 。それ以外の時間帯の走行分は割引対象外です 。

2. 割引適用の走行距離に上限が設定

見直し後の深夜割引では、対象時間の走行分でも、割引が適用される走行距離には上限が設定されます。これは、割引対象距離を増大させることを目的とした「速度超過」などの無謀な運転を抑止し、安全・安心に高速道路を利用してもらうためのものです

  • 車種別の1時間あたりの上限距離:
    • 軽自動車等・普通車・中型車・乗合型自動車: 1時間あたり 105km
    • 大型車・特大車(乗合型自動車以外): 1時間あたり 90km
  • 長時間走行の場合: 4時間以上の利用には、無休憩運転の抑制のため、最大30分の休憩を加味した上限距離が設定されます 。例えば、大型車で5時間走行の場合、(5時間 – 30分) × 90km = 405kmが上限となります 。

3. 割引適用方法が「後日還元型」に変更

これまで料金所で即時に割引後の料金が表示されていましたが、見直し後は「後日還元型」に変更されます

  • 通常のETCカード(ETCクレジットカード、ETCパーソナルカード):
    • ETCマイレージサービスへの事前登録が必須となります 。
    • 割引相当額が、利用月の翌月20日(原則)にETCマイレージサービスの還元額(無料走行分)として付与されます 。
    • 料金所では割引前の通常料金が表示されます 。
  • ETCコーポレートカード:
    • ETCマイレージサービスへの登録は不要です(そもそも登録できないため) 。
    • 無料走行分での還元ではなく、還元額分を差し引いた額が翌月に請求されます 。
    • 料金所では割引前の通常料金が表示されます 。

4. 複雑になる割引計算方法

見直し後の深夜割引は、割引適用時間帯の走行分のみが対象となるため、割引計算が少し複雑になります。

  • 割引後料金の計算式:
    • (割引後料金)=(通常料金)×(100%-((割引時間帯の走行距離)÷(全走行距離)×30%))
  • 走行例:
    • 全走行が割引適用時間帯だった場合:
      • 通常料金2,170円、全走行距離74.1km。
      • (2,170円) × (100% – ((74.1km ÷ 74.1km) × 30%)) = 1,520円
      • この場合、全走行料金が30%割引となります 。
    • 一部走行が割引適用時間帯だった場合:
      • 通常料金2,170円、全走行距離74.1km。うち、割引適用時間帯の走行距離が38.1kmだった場合。
      • (2,170円) × (100% – ((38.1km ÷ 74.1km) × 30%)) = 1,840円
      • 全走行分に対する割引率は約84%になることが分かります 。
  • 割引適用時間帯の走行距離の算出: 22時・5時前後2点のETC無線通信専用アンテナ等の通信記録(時刻・位置)から算出した平均速度を用いて、22時・5時の位置を推定し、距離が算出されます 。

NEXCO3社は、見直し後の深夜割引の概算額を算出できる機能を、各社の料金・ルート検索サイトに追加しています(2024年12月25日発表)。いつも利用するルートなどで、変更後の料金がいくらになるのか事前に確認しておくことをおすすめします。つも利用するルートなどで、変更後の料金がいくらになるのか事前に確認しておくことをおすすめします。

5. 長距離利用をサポートする「激変緩和措置」と「長距離逓減制」の拡充

長距離利用者への急激な料金負担増を和らげるため、2つの激変緩和措置が5年程度設けられます

  • 1,000km以上走行した場合の割引対象距離追加: 深夜割引適用時間帯を走行し、かつ一連の走行が1,000kmを超えた場合、1,000kmを超える部分も30%割引の対象となります 。
  • 22時台流出車両への還元率緩和: 22時台に高速道路を流出した車両について、22時0分からの走行分に対しても、還元率を最大20%とすることで負担を軽減します 。

また、今回の深夜割引見直しに合わせて、100kmを超えた場合の「長距離逓減制」も拡充されます 。これは深夜割引とは別の制度ですが、利用距離に応じて通行料金を逓減する制度で、400km超から段階的に40%~50%割引が追加され、全体の通行料金負担の軽減が図られます

まとめ

ETC深夜割引は、2025年7月頃の運用開始(予定)をもって、その仕組みが大きく変わります。割引時間帯の拡大(22時~翌5時)割引対象が走行した分のみ割引対象距離に上限設定割引方法が後日還元型へ変更(通常のETCカードはETCマイレージ登録必須)、そして激変緩和措置の実施が主な変更点です

ドライバーの皆様は、無駄な料金を支払わないためにも、これらの変更点をしっかり理解し、自身の走行パターンに合わせて最適な割引制度を賢く利用しましょう。最新情報は常にNEXCO各社の公式サイトで確認し、よりお得で安全なドライブをお楽しみください。

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