1. はじめに
高速道路を頻繁に利用する法人にとって、通行料金の削減は重要な課題です。ETC多頻度割引は、月間の利用金額に応じて割引が適用されるお得な制度です。本記事では、その仕組みから割引率、登録方法まで詳しく解説します。
2. ETC多頻度割引の仕組み
ETC多頻度割引は、主に法人名義のETCカード(ETCコーポレートカードなど)を対象とした割引制度です。 月間の高速道路利用料金の合計額に応じて、段階的に割引率が上がっていく仕組みが一般的です。
- 月間の利用金額を集計: 毎月1日から月末までのETCカードによる高速道路料金の合計金額が集計されます。
- 割引率の適用: 集計された利用金額に応じて、各高速道路会社が定める割引率が適用されます。
- 翌月以降に還元: 割引額は、通常、翌月以降の請求金額から差し引かれる形で還元されます。
重要なポイント:
- 個人名義のETCカードでは、原則としてETC多頻度割引は適用されません。
- 割引の適用条件や割引率は、各高速道路会社(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、首都高速道路、阪神高速道路、本州四国連絡高速道路など)によって異なります。
3. NEXCO3社におけるETCコーポレートカードの多頻度割引の例
NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)では、主に以下の2種類の割引があります。
- 車両単位割引: 車両ごとに、1ヶ月の高速道路利用料金に応じて割引率が変動します。
- 契約単位割引: 1ヶ月の高速道路利用料金の合計が一定額を超える場合に、さらに割引が適用されます。
以下は、NEXCO3社におけるETCコーポレートカードの多頻度割引の一例です。具体的な割引率や適用条件は、利用するカードの種類や契約内容、ETC2.0の有無によって異なりますので、必ず各社の公式サイトでご確認ください。
車両単位割引の例
月間利用金額 (1台あたり) | 割引率 | ETC2.0搭載車の場合 |
---|---|---|
5,000円超~10,000円以下 | 10% | 20% |
10,000円超~30,000円以下 | 20% | 30% |
30,000円超 | 30% | 40% |
- ETC2.0搭載の事業用車両の場合、割引率がさらに高くなります(上記例の右側)。この拡充措置は、2026年3月末まで延長されています。
契約単位割引の例
1ヶ月の高速道路利用料金の合計が500万円を超え、かつ、1台あたりの平均利用額が3万円を超える場合、合計利用額に対して10%の割引が適用される場合があります。
※協同組合が発行するカードには適用がない場合がございますのでご確認ください。
注意: 上記はあくまで一例です。NEXCOの割引制度は複雑であり、車種、利用区間、ETC2.0の有無などによって細かく条件が異なります。
4. ETC多頻度割引の登録方法
ETC多頻度割引を利用するには、ETCコーポレートカードの申し込みと、多頻度割引の登録手続きが必要です。
- ETCコーポレートカードの申し込み:
- ETCコーポレートカードは、高速道路会社または事業協同組合、提携のクレジットカード会社などが発行しています。
- 法人登記簿謄本、印鑑証明書、車両情報などの必要書類を準備し、各社の窓口またはウェブサイトから申し込みます。
- 審査には時間がかかる場合があります。
- 多頻度割引の登録手続き:
- ETCコーポレートカードが発行されたら、多頻度割引の登録手続きを行います。
- 登録方法は、カード発行会社や高速道路会社によって異なります。
- ウェブサイト: 各社の法人向けETCカードに関するウェブサイトからオンラインで登録できる場合があります。
- 郵送: 申込書を郵送で提出する場合があります。
- 窓口: 一部の窓口で手続きを受け付けている場合があります。
登録に必要な情報(例):
- ETCコーポレートカード番号
- 法人名
- 車両番号
- 連絡先
注意点:
- ETCコーポレートカードの申し込みと多頻度割引の登録は、別々の手続きとなる場合があります。
- 登録完了までには時間がかかる場合がありますので、余裕をもって手続きを行いましょう。
- 割引の適用開始時期は、登録手続き完了後となるのが一般的です。
5. まとめ
ETC多頻度割引は、高速道路を頻繁に利用する法人にとって、通行料金を大幅に削減できるメリットの大きい制度です。仕組みを理解し、自社の利用状況に合わせて適切なETCコーポレートカードを選択し、多頻度割引の登録手続きを行うことで、高速道路料金のコストの最適化を図ることができます。詳細な割引率や登録方法については、必ず各高速道路会社の公式サイトをご確認ください。特に、NEXCOの割引率は複雑なため、最新情報を確認するようにしてください。
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