高速道路を走行中に突然「パンッ!」という大きな音とともにハンドルが取られたら、それはタイヤバーストの可能性が高いです。時速100kmでのバーストは、車のコントロールを失いやすく、大事故につながる恐れがあります。
この記事では、高速道路でタイヤがバーストした際の、命を守るための3つの正しい対応手順と、未然に防ぐための予防策を解説します。万が一の事態に備え、冷静な対処法を身につけましょう。
バースト発生!命を守るための3つの対処手順
高速道路でタイヤがバーストしたら、絶対に慌ててはいけません。以下の手順で、落ち着いて安全を確保してください。
手順1:急ブレーキ・急ハンドルを避けて、減速しながら停車する
バーストが発生すると、車が大きく傾き、ハンドルが取られます。このとき、急ブレーキや急ハンドルを切ると、車のバランスが崩れてスピンし、コントロールを完全に失う危険性があります。
- ハンドルをしっかり握る: まずはハンドルを両手でしっかり握り、車の進路を安定させます。
- ハザードランプを点灯させる: 後続車に異常を知らせるため、すぐにハザードランプを点灯させましょう。
- エンジンブレーキで徐々に減速: アクセルからゆっくりと足を離し、エンジンブレーキを使いながら徐々に速度を落とします。フットブレーキは、車が安定するまで軽く、小刻みに踏むようにしましょう。
- 安全な場所へ徐々に移動: 車両をコントロールしながら、路肩や非常駐車帯など、安全な場所へ少しずつ移動させます。
手順2:同乗者を避難させ、停止表示器材を設置する
安全な場所に停車できたら、すぐに車外へ避難し、二次災害を防ぎましょう。
- 全員で車外に避難: 同乗者がいる場合は、全員を車の外へ誘導し、ガードレールの外側など、安全な場所に避難させます。車内や車の周囲で待機することは絶対に避けてください。
- 停止表示器材を設置: 高速道路上で停車する場合、停止表示器材(三角表示板や発炎筒)の設置が道路交通法で義務付けられています。設置を怠ると、違反点数1点と反則金6,000円(普通車)が科せられます。
- 設置場所: 停止表示器材は、車両の後方50mほどの位置に設置し、後続車に停車していることを知らせます。設置の際は、道路上を歩かず、ガードレールの外側など安全な場所を移動しましょう。
手順3:ロードサービスに連絡する
自力でのタイヤ交換は非常に危険です。プロに任せましょう。
- 連絡先:
- JAF(日本自動車連盟)や、ご自身が加入している任意保険会社のロードサービスに連絡します。
- 高速道路上の場合は、近くの非常電話か道路緊急ダイヤル(#9910)に通報しましょう。状況を詳しく伝え、安全な場所で待機してください。
- 二次災害の防止: ロードサービスや警察が来るまで、絶対に道路上には出ないでください。
タイヤバーストを未然に防ぐための予防策
日頃の点検とメンテナンスで、バーストの多くは防ぐことができます。
- 空気圧の定期的なチェック:
- 空気圧の過不足は、バーストの最大の原因です。月に1回は、ガソリンスタンドなどでタイヤの空気圧をチェックしましょう。
- 適正空気圧: 車種ごとに運転席ドアの内側などに貼られているステッカーで確認できます。
- タイヤの状態を目視で確認:
- 溝の深さ: 溝が1.6mm以下になると出る「スリップサイン」が出ていないか確認しましょう。スリップサインが出たタイヤでの走行は、道路交通法違反になります。
- ひび割れや傷: タイヤの側面や溝に深いひび割れや傷がないか確認しましょう。縁石などに強く擦ってしまった後は、特に注意が必要です。
- コブや膨らみ: タイヤの側面にコブのような膨らみがないか確認しましょう。これは内部の損傷のサインです。
- 古いタイヤは早めに交換:
- タイヤの寿命は一般的に4〜5年と言われています。溝が残っていても、ゴムは経年劣化します。製造年週(タイヤの側面に記載)を確認し、古いタイヤは早めに交換しましょう。
まとめ:冷静な対処と日頃の点検が命を守る
高速道路でのタイヤバーストは、非常に怖い経験ですが、急ブレーキや急ハンドルを避けて冷静に対処すれば、事故を避けられる可能性は高いです。 そして何より、日頃の定期的な空気圧チェックとタイヤの状態確認で、バーストの多くは予防できます。
万が一に備え、発炎筒や三角表示板を車に常備し、ロードサービスの連絡先を控えておくなど、事前の準備も怠らないようにしましょう。
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